小麦粉が高騰しているそうな。
普段小麦粉を使う料理はしないので、買う場面が無いものの、どのくらい値段が上がっているのかスーパーの粉売り場を覗いてみると、値段もそうだけど袋に入っている量がショボい。
並びに置いてあるパスタも随分と値上がりしている。こちらは量を減らしたら見た目バレバレになってしまうので、しゃーなしに値段を上げているという感じか。
眺めていると、なんか知らんけど口がパスタになってきて、トマトソースでも作って喰おうか、でもトマト缶開けて作ったら何回も食べなアカンしな~、とか思案していると、突然「ナポリタンっ!」の5文字が閃いた。
そうだ。ナポリタンを作ろう。
以前作ったのはいつだろう?
子供たちも好んで食べなかったからな。
しかし、次男も来月近所に部屋を借りて独り立ちするそうなので、ここは生き抜いていくためのナポリタンのレシピを伝授しておこうか。
わざわざこんなところで教えなくても・・・、かもしれない。
でも、息子以外の名前も知らない誰かに役立つかもしれないから、記しておこう。
ベーコンは何でもいいけど、ブロックを適当に切った方が肉喰ってる感じがするので、そうする。なければ何でもいい。
季節柄、新玉ネギが旬なので敢えて使用。なので、切り方は普段より厚めにして、これも食感を重視。ピーマンは種を取って輪切り、厚みは好みでよいだろう。
大きな鍋に充分な水を入れて火にかける。塩を入れるか入れないかは好みで。オレは血圧の関係で入れないけど。同時に卵をひとつ殻が割れないように気をつけて放り込む。
鍋の水が沸騰して5、6分してからパスタを放り込む。ゆで卵とパスタ茹でを同時に行うというわけだ。
別のフライパンでベーコンを炒める。焦げ目がつくかつかないあたりで新玉ネギとピーマンを投入して全体がシナっとしてきたら一旦火を止める。
パスタは茹で時間の1分前にザルに上げる。ゆで汁は仕上げに使うので少し残しておく。
茹で上がった卵は水にさらして殻をむく。やけどに注意。
ザルで湯を切ったパスタをフライパンに放り込む。火をつける。強火。
フライパンがパチパチ言うてきたら残していたパスタのゆで汁を投入する。同時にアート感覚でケチャップを投入。塩なりコショウなり顆粒ブイヨンなり、足したいものがあればこの時点で好きにする。
ゆで汁の水気がとれてきたあたりで皿に盛る。
茹で卵は半分に切ってパスタの上にセットする。出来上がり。
粉チーズは無いので振りかけません。
パスタ本来のコシと、パスタにまとわりついている肉や野菜の旨味のジュルジュルが口の中でハーモニーを奏でる。そして時折、茹で卵の黄身で口の中のハーモニーをこそげ落として新しい気分で再びハーモニーを奏でさせる。
息子たちよ、
混迷深まるこの時代を切り拓く君たちの身体は、君たち自身が食べたものと吸い込んだ空気でしか構成されない。
人様の作った飯を簡単に信用するな。自分の心と胃ぶくろの声と向き合い、必要な飯を段取りする知恵と行動力を身につけろ。
オレのナポリタンを超えてゆけ。