2025年の年末も、まだまだ仕事が続いているので正月気分は湧くどころかマイナスの状況を迎えております。
今日の土曜日は、仕事が早く終わったので、少し時間をとって数年来脳みその中にとどまり続けていたことをサクッと綴ってみましょう。
それは、お米の話。
ビール飲みながら書いているのは内緒です。
令和の米騒動が起こるずっと前、コロナ禍を過去の出来事にしたいと思われる世間にウンザリしていた頃だったと思う。
仕事の昼休憩時に、流れていたテレビで「馬耕米」の話題が流れていた。
「馬耕米」というのは、馬耕、馬に鋤(すき)などの農工具を引かせて田畑を耕す日本古来の農法で作った米だそうな。
で、担い手が減り続けて存続が難しくなっている状況において、興味を持った若い世代の人たちが技術を学んで実際に農作物を作って暮らしていく悪戦苦闘をダイジェストで流れていた。
へ~、と画面に見入ってしまう。
悪戦苦闘ぶりに興味のある方は、ネットで調べてみてください。
ここでの話題は「めし」、本日は「コメ」の話であります。
で、悪戦苦闘に実りが伴ってきたので、それを北海道からネットで販売しようという試みに挑戦されているそうな。
取材者と農場の奥さんとのやり取りが流れた。
いくらで売ろうと考えた際に、限りのある生産量と自分たち家族の生活を維持するために必要なお金がいくらかかると想定して、はじき出した値段が5キロ8000円とのことだった。
5キロ8000円。高っか。
ただし、その時同時に、奥さんの値付けに突っ込みどころは皆無だった。
私の作った米は5キロ8000円。
家族の暮らしを営むために思案して付けた妥当な値段が8000円。
それなら誰も突っ込めない。
奥さんの物腰や態度に、尊大とか傲慢などの雰囲気はカケラもない。
暮らしを営むために付けた値段が、5000円でも10000円でもなく、8000円。
一日働いて2000円、糞にまみれて2000円。
ビルのお掃除おばちゃんの日給とは、少し違う視点で値段の設定されている。
ここで、昼飯を食いながらオッサンは考え始めた。
「この米を買うことが出来るか否か?」
どうだろう?
最初に思ったこと、絶対に欲しいとは思わない。
それは値段のせいではない。
食べてみたいかどうか。
一度は食べてみたいと思う。
8000円出して買うのか。
そりゃ、買うときは買うさ。
買うか買わんかは、純粋にコチラ側の問題だろう。
いやむしろ、オッサンは8000円の値付けをしたご夫婦の暮らしの背景や地域文化を知りたいと強く感じた。
そのことを記録しておきたいと思うも、だらけてしまって時間が経ってしまう。
そのうち、令和の米騒動が起こって米の価格が高騰して、社会問題に発展してしまった。某国営放送がニュースの度に「米の平均価格が〇×▼・・・」と、無茶に平らにした意味の薄い数字を挙げて印象つけようとしてはる。その数字は4000円超え。
そう言った直後で、どこかのスーパーで買い物している客にマイクを向けて「高いから買えませんわ」みたいな脊髄反射トークのみを切り取って繰り返し流し続ける。
そもそも、マイクを向けたお客さんの脊髄反射って「自分の財布の中身と比べて高い」「自分の経済的価値観と比べて高い」だけの話やないですか。そこだけで、米の値段が高い現状を「割高」であるように「盛る」のは、世の人々が少しでも状況を正確に捉えようとするときに邪魔でしかないと思うんですね。
もう少し、モノに付いている値段の捉え方について、多くの人々が考え直さなければならないのではないかという、良いきっかけになっているのではないでしょうか。
オッサンは、こう思うわけです。
そのテレビを観ていたとき、話をされていらっしゃった奥様の言葉から、「豪邸を立てる」「フェラーリに乗りたい」とかいう雰囲気は全く感じなかった。
フェラーリは要らんけど、車は絶対に必要。
豪邸は管理が大変やけど、家族が暮らす家は絶対に必要。
子供たちが大きくなったとき、望むなら大学へも行かせてあげたい。などなど・・・
暮らしにかかる費用を計算して出た数字が「5キロ8000円」。
つまり、「ぼったくり」の気配は微塵もないってことです。
であるなら、我々には「買うか買わないか」「買う値打ちがあるのかないのか」「買いたい魅力があるのかないのか」などなど、色んな要素を勘案して購入を決めるだけやんかいな、と思うのであります。阪神淡路大震災直後に、カセットコンロ一つ10000円で売りにきた連中と一緒にしたらアカンと思うのであります。
「売り物」が、どのような経路を辿って自分の目前に現れているのかに、少しでも想いを向けてみれば、そこに「高い」や「安い」という二極ではない違う価値観や魅力が表れてくるはずなんですけどねぇ~。
それを少しでも見出すのが、消費者の矜持だと思いますよ。
で、思い出したので、その馬耕米を販売しているサイトを覗いてみたら、値段が高騰している世間の事情を全く意にせず、相変わらず「5キロ8000円」で売っていました。
ちょっと食べたくなりました。この米。
