10月も真ん中過ぎたにもかかわらず、ポロシャツ一丁でママチャリを快走可能な姫路駅付近、早番の仕事を終えたオッサンは、晩ごはんの材料を調達するために駅チカの地元スーパーへ立ち寄る。
肉のタイムセールに遭遇したため、アレコレとまとめ買いをして、重たい土もの野菜や白菜を買ってレジに向かった途中、冷蔵ケースに平積みされていたある商品に目が留まった。
その名は「菊水のラーメン」。
なぜ目が留まったのかというと理由は簡単。実に庶民臭いもの。
外装パッケージに「麺20%増量」とデカい文字が書いていたからだ。
全国的にどうなのか分からないけど、兵庫県神戸市から姫路市あたりの一般的なスーパーに行けば、ほぼどこでも売られている麺別茹でタイプの袋ラーメンだ。
35年くらい前なら一人で2玉茹でて喰って腹パンに、15年くらい前だと教育費でスカスカになった親父の財布に優しい主食級のメニューとして、我が家の食の歴史において取り上げない訳にはいかないものだ。
その後、再婚してから家であまりラーメンを食べなくなったのをきっかけに、小麦使用食品の著しい価格上昇も重なって、買うことがなくなった。
けど、パッケージの「20%麺増量」の文字を見て、昔を思い出して懐かしくなり、更には、値上げ値上げの世の風潮に敢えて「増量作戦」に打って出たメーカーの意気にグッと来てしまった。
カゴに入れてレジへ向かって清算して帰宅した。
菊水ラーメンの凄いところは、賞味期限の長さだ。
購入して冷蔵庫に入れておけば1週間や2週間くらいなんともない。
(サイトをみると45日間もあった。)
おそらく、そのくらい冷蔵庫で寝かせたブツを、ある朝食べることにした。
・バルミューダのケトルに水を入れてスイッチオン。鍋に麺を茹でるための湯を沸かす。
・ケトルの湯が沸いたら、ラーメン鉢にスープの袋を袋のまま入れて湯を注ぎ、少し温める。
・冷蔵庫の野菜室に入ってある野菜を適当にピックして細かめに切る。
・麺を茹でる湯が沸いたら、麺を放り込んでよく混ぜながら2分半茹でる。
・その間、フライパンに軽く油を敷いて火をかけ、切った野菜を炒める。ここは手際よく。無理なら事前に野菜を炒めておいて弱火にしておく。
・麺を2分くらい茹でたあたりで、ラーメン鉢の湯を捨ててスープを袋から出して鉢の中に入れ、沸かしなおしたケトルのお湯を鉢にそそぐ。
・茹でた麺をザルに上げて湯切りを済ませたら、ラーメン鉢に麺を入れて程よくまぜる。
・フライパンの野菜炒めを鉢に乗せ、刻み葱を乗せたら出来上がり。その他香辛料はご自由に。

出来上がりの見栄えには程遠いけど、イメージしたのは北海ラーメン。
昔ブログにも書いたことがある、自分にとって幼少のころの思い出から湧き出たものにだ。
最近は、これくらい食べても腹パンになって愉しみが減った気がして少々悲しい。
しかし、菊水ラーメンの麺の風味は、直接おやぢに子供時代を蘇らせる美味しいものだ。
どうでもよい話、おやぢにとって12月の奈良マラソンへ向けて、練習量を上げ食事量をセンス良く減らしていかねばならない。その点、野菜たっぷりのラーメンは、塩分がアレやけど栄養学的には食いすぎさえしなければ実に身体にエエらしい。昔、発酵学を学んだ先生がおっしゃっていた。
ラーメンが旨いと感じるのは、味覚ではなく身体なのだと。