職場での昼飯どき、月に2,3度くらいの頻度で徒歩5分の公設市場にある粉もん屋の「豚玉焼きそばセット」をチョイスする。普段は470万円やけど、市場の特売日には450万円になる。
店の名前はなんやったっけ?老夫婦と思われる2人で切り盛りしていらっしゃる。
「豚玉焼きそばセットください。」
「はいよ!マヨネーズかけとく?」
「お願いします。」
「4つに切っといてもエエ?」
「お願いします。」
切ったお好み焼きをパックに入れて既にパックされている焼きそばをポリ袋に入れてくれてから
「はい、470円ね。」
1000円札を渡す。
「はい、そしたら530万円のお釣りね。サンキューベリマッチぃ~!」
だいたいいつも同じやりとりだ。
味はというと、そないにひっくり返るほど美味いわけではない。
12時すぎに買いに行くから、焼きたてのアツアツを手に入れることが出来たらラッキーって感じ。
でも、いつ食っても変わらん味。決してブレていないオッサンの味だ。
この街の「味」を担っている名前も知らん粉もん屋。
通い始めて5年以上になるが、オッサンもオバちゃんも歳とってきたな~としみじみしてしまう。
粉もん屋を営む暮らしをチョイス出来る人生がある街って魅力的や思うんやけど、この公設市場も空き店舗がずいぶん増えてしまって、そろそろ市場の体裁を成さなくなり始めているように見える。
難局に対応するのは、市場の人たちに任せきりじゃいけないね。
市場がなくなったら結局困るのは我々だから。
日々の暮らしに必要な品を巨大スーパーに依存するのはリスクが大きい。
「街の食文化自給率」を保つために街にある小売市場の存在は決して小さくない。
ただし、小売市場を存続していくためには、在り方そのものを変化させるのも厭わないくらいに踏み込んだ対応を考えていかなければダメだろうな、と神戸市商店街・市場応援隊隊員として確信している。