神戸に住んでいる人、あるいは神戸に良く訪れる人で、時おり私に込み上がるこの感情に共感してくださる方は、何パーセントくらいいるのだろう?
「口がもっこすや・・・」
「もっこす」は神戸市兵庫区大倉山にあるラーメン屋。高校卒業したころあたりから食べに行きだしたから頻繁ではないけど35年以上通っている。
もっこすのWebサイト
ラーメン - 神戸の中華そば もっこす(神戸市・明石市・西宮市のラーメン専門店)
豚骨醤油ならぬ、豚足醤油味をうたった独特の風味のスープとストレートな細麺に細切りのチャーシューとネギとモヤシがドサっと乗ってある、他の地域で似たような味に会ったことがない個性的なラーメンだというのが私的な感想。
花隈店が閉店してから、めっきりと食べる機会が減ってしまったけど、食べたい気持ちが失せたわけではない。ある日前触れもなく冬眠から目覚めるモウセンゴケのごとく、虫を捕まえる葉みたいな粘り気を持った食欲が芽吹いてくるのだ。
「口がもっこすや・・・」
ある日、何がきっかけになったのかも分からず突然、口がもっこすになった。
どうしよう。総本店へ行ってみるか?
しかし世間は「緊急事態宣言」発出中。色んな意見が飛び交っているけれど、感染したら何割かの人が発症してそのうち数パーセントの人が命を絶たれる感染症であることは間違いない。自分がなるのは勿論イヤだし、知らず知らず他人に感染させてしまうのはもっとイヤだ。情報がもっと分析され、ワクチンの接種が進み、この感染症とどうやって折り合えば普段の暮らしが戻るのかを自身でもう少し確信が持てるまでは、雑踏への不要不急の外出を控えておこう。
しかし、もっこすになった口をどうやってなだめたら良いのだろう?
そうだ、アレを作ってみたらどうだろう?
そうだ、そうしよう。
アレというのは、ニラ胡椒。店のテーブルに置いてある薬味だ。
もっこすのラーメンにババ掛けして口の中で交わると、その味が別のところへ昇華する触媒のような薬味だ。家で作ったラーメンに掛けてみて、その気分だけでも味わってみようと思い最寄りの食材売り場へ足を運んだ。
家から一番近い食材売り場は「業務スーパーほにゃらら店」。
隣接する酒の量販店にも立ち寄ってステイホーム用のアレやらコレやら購入した。
ベースのラーメンは明星チャルメラしょうゆ味。
5パック入りのパッケージにあった進撃の巨人グッズプレゼントの広告に惹かれたのが選んだ理由。応募もせんのに、こういうのを見たら買ってしまう性格は死ぬまで治らないのか・・・
さて、ニラ胡椒の材料は以下の通り。
松岡マサヒロの「ニラ胡椒 Version 1」レシピ
材料:ニラ、あらびき唐辛子、豆板醤、ニンニク
作り方
1:ニラは、5ミリの長さにカットしてボウルに入れる
2:ニンニクは最低一かけ、好みに応じて何かけでもすりおろしてニラが入っているボウルに入れる
3:ボウルに粗挽き唐辛子を入れる。記憶を頼りにニラの緑3に対して唐辛子の赤が1くらいのイメージで入れる
4:ボウルに大さじ2杯の豆板醤を入れて、スプーンを使って材料がまんべんなく混ざるようにかき混ぜる
5:30分ほど常温でなじませてシットリしたら、タッパーやボトルなどの保存容器へ移して冷蔵庫で保存する。冷蔵庫にいれておけば5日程度は余裕で持つ。
試食タイム
出来上がりの見た目は、店のものと全く変わらない。しかし何だ、ニラ胡椒が家にあるというだけで湧き上がる至福感は。
矢野顕子の名曲「ラーメンたべたい」ばりに、トッピングは山盛りのネギとニラ胡椒だけでチャルメラ作って食べてみた。
か、辛い。
入れすぎたのか? 唐辛子の分量が多すぎたのか? チャルメラの味がアッサリすぎたのか?
今回作ったニラ胡椒は、袋に入っていた「秘伝のスパイス」を含めて全ての味を駆逐して、チャルメラしょうゆ味ラーメンをニラ胡椒ラーメンと化した。
正に「進撃のニラ胡椒」だ。
飲み干したスープの倍量の汗が噴き出たおやぢの身体とソウルは、更なるニラ胡椒の食べ方&作り方に沸々とした闘志を抱くのであった。
Version2は近日公開予定。